Just earのXJE-MH2がオークションに出品されていた件について
既にご存知の方も多いとは思いますが、Just earはソニーエンジニアリングのカスタムIEMブランドです。
現在、テイラーメイドの考えに基づき、音質まで調整できるXJE-MH1(30万円)と、3種類の音質プリセットモデルXJE-MH2(各20万円)が販売されています。
今回出品されていたのはXJE-MH2の方で、「モニター」「リスニング」「クラブサウンド」の中のクラブサウンドのモデルです。
では、何が問題になったかというと、その試聴機が出品されていたという1点。
本来、Just earの製作のためには「東京ヒアリングケアセンター」に2回、赴く必要があります。そのため、地方在住の方にとって購入まで非常に敷居が高いものになっているのですが、こういった要望を受け、昨年10月から試聴機のレンタルサービスが開始されました。価格も3,240円と、商品価格と比べて良心的なものとなっています。
そんなサービスの下で貸し出されていた、一般には販売していないはずの試聴機が出品されてしまったようです。
大まかな経緯
05:30 |
ヤフオクにXJE-MH2のクラブサウンドが出品される。開始価格は98,000円。 |
13:00 |
twitter上でJust earのイヤホンが出品されていると話題になり始める。商品画像のイヤホンにイヤーチップがついていたことから、試聴用にレンタルされているものではないかと論議に発展。この時点で価格は110,000円、オークション終了日時は3日後。 |
14:00 |
新規アカウントの入札によって価格は198,000円に上昇。その後、終了予定日を待たずにオークションは早期終了。 |
18:00 |
東京ヒアリングケアセンターのtwitter投稿により、未返却の試聴機であった可能性が濃厚となる。 |
Just earがオークションに出品されたとの連絡を受けました。残念ながら未返却の試聴機と推察します。本件は警察に相談中です。現在Just earはオーダーメイド品以外の販売及び提供をしておりません。落札者様含め同様の取引はされないようにご注意ください。
— 東京ヒアリングケアセンター青山店 (@thcc_aoyama) 2016, 1月 20
ざっとまとめるとこんな感じ。
考えられる可能性としては、
1.Just earの試聴機レンタルサービスを利用した人がオークションに出品、紛失したとして、落札価格から本体代金を支払い、残りを収入に。
2.Just earの試聴機レンタルサービスを利用した人が盗難に会い、犯人が出品。
その後、騒ぎが大きくなったため、出品者本人、または有志による新規アカウントでの最高価格更新後、出品者により早期終了といった流れでしょうか。
ちなみに商品説明を見ると、
Just Ear XJE-MH2 Club Sound . AJE-BCP1 プラグ の中古品です。
AJE-BCP1は先月発売されたばかりのJust ear専用の4極グランド分離ケーブルですが、商品画像はどう見ても3極の通常プラグ。商品知識には乏しいようです。怪しい。
Audio交流会の方から頂きました。
もし本当なら、そのAudio交流会の人物は試聴機であることを知りながら、20万円もの商品を譲渡したことになります。怪しい。
それ故に電車などで寝過ごしてしまう事が多く、出品致します。
高額な貰い物をオークションに出品。怪しい?
など、色々と突っ込むところの多い内容となっています。
試聴機のレンタルでは、当たり前ですが送付先等の情報がメーカー側に提供されます。そして昨今のSNSをはじめとした集合知による情報の特定、拡散力には目を見張るものがあります。
今回のような、メーカーと利用者の善意が揃うことで始めて成り立つサービスが、安易な考えを持った人によって、存続が危ぶまれる事態となってしまったことは残念に思います。
今後、残念ながらこういった事態を完全に防ぐことは難しいと思います。それでも、サービスを正しく利用したい方はまだまだ多いと思いますので、どうか終了してしまわないよう、切に願います。
良い記事でした。ナイスです