ソニー、ヘッドホンとイヤホンのフラグシップ機「MDR-Z7」と「XBA-Z5」を発表
MDR-Z7
以前から中国ソニーの公式ホームページでその存在は予告されていました。わずかに、MDR-R10の面影が残っているようなハウジングは金属製。
密閉、ダイナミック型のヘッドホン。新開発の大口径70mmHDドライバーユニットを搭載することで、4Hzからなんと100kHzまでを再生可能に。
インピーダンスは70Ω、感度は102dB/mW。本体の重さは335g。
ノーマルケーブルとバランスケーブルが付属するので、同じく発表された「PHA-3AC」のようなバランス出力対応のヘッドホンアンプとバランス接続が可能です。
製造はMade in Japan。価格は€599。
また、ヘッドホンの新製品として他に「MDR-1A」「MDR-1ADAC」が発表されています。
MDR-1Aは現行のMDR-1RMK2とドライバの口径は同じ40mmですが、周波数特性が4Hz~80kHzから3Hz~100kHzへと大幅に伸びています。
MDR-1ADACはDAC内蔵モデル。ウォークマンからのデジタル接続により、PCMは最大192kHz/24bit、DSDは2.8/5.6Mhzに対応。iPhoneからの接続は44.1kHz,48kHz/16bit。
XBA-Z5
そしてもう一つのイヤホン最上位機種「XBA-Z5」。こちらは現行機種の「XBA-H3」と同様に16mmのダイナミックドライバ1基と2基のBAドライバを搭載したハイブリッドモデル。
周波数特性は3Hz~40kHz、インピーダンスは32Ω、感度は107dB SPL/mW。
また、XBA-A3, XBA-A2, XBA-A1といったイヤホンも発表されているので、こちらが正式な後継機種、Z5は全く新しい系統のモデルとなりそうです。
価格についてはAmazon.comで$699.99となっています。
主な仕様を比較
型番 | XBA-Z5 | XBA-A3 | XBA-A2 | XBA-A1 |
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ドライバ構成 | 16mmDドライバ×1BAドライバ×2 | 12mmDドライバ×1BAドライバ×2 | 12mmDドライバ×1BAドライバ×2 | 9mmDドライバ×1BAドライバ×1 |
周波数特性 | 3Hz~40kHz | 3Hz~40kHz | 4~40kHz | 5Hz~25kHz |
感度 | 107dB/mW | 105dB/mW | 108dB/mW | 107dB/mW |
インピーダンス | 32Ω | 32Ω | 32Ω | 24Ω |
本体重量 | 11g | 10g | 9g | 7g |
MDR-Z7とXBA-Z5のオフィシャルビデオが公開されていました。文字に起こしておきます。
ソニーは2012年に、アーティストの伝えたい音楽の再現性を追及した「MDR-1」、2013年にはハイレゾ商品群として、ハイブリッドドライバを搭載した「XBA」を立て続けに発売してきました。
Feel the air.
「MDR-Z7」、「XBA-Z5」は、ヘッドホン、イヤホンと形状は大きく違いますが、音楽の空気感までも再現する表現力「Feel the air」を共通のコンセプトに掲げました。全ての構成要素が、「Feel the air」を耳元で実現するために、必然的な形状に凝縮されています。
Pursuing better sound quality
「Feel the air」、つまり空気感の再現をするためには、凄く低い音から高い音、そして小さい音を正確に再現する必要があります。「MDR-Z7」、「XBA-Z5」の両モデルでは、その点を最も重視して開発しました。音質だけではなく、音楽の空気感を余すところなくお楽しみいただけると思います。
MDR-Z7 70mm HD driver unit
新開発の70mm口径HDドライバユニットは、低域から100kHzに至る超高域まで、たった1つのユニットで再生するとともに、耳周りの波面を部屋でスピーカーを聞いているときのような平面波としています。さらに、微小音に対するリニアリティを、徹底的に改善します。
XBA-Z5 HD hybrid 3-way driver unit
「XBA-Z5」では、すべてのドライバユニットを一新しました。本機でも、ダイナミックウーハーにはアルミニウムコートLCPを採用し、2つのBAドライバには新アーマチュア構造を採用することによって、微小音に対するリニアリティを向上させました。さらに、スーパーツイーターには、振動板に軽量かつ剛性の高いマグネシウムを採用し、超高音域まで正確に再現することで、空気感の表現力を高めました。
MDR-Z7/XBA-Z5 Aluminum coated LCP diaphragm
振動板材料として、理想的な特性を持つ液晶ポリマーにアルミニウムの薄膜をコーティングしました。この2つの材料の相互作用により、全帯域で高くフラットな内部損失特性を実現し、色付けの少ないクリアな中高音を再生することができます。
Design
デザインについては、次世代の造形言語を盛り込み始めています。プレミアムオーディオには、「シンプル」、「堅牢性」、「精密感」の3つが求められていますが、複雑な要素や凹凸を圧縮、凝縮して1つの塊にまとめ上げる手法でデザインをしています。Z7は、塊化にこだわったハウジングと、それを支えるメタルハンガーが一体化するように閉じました。マグネシウムの硬質な表面仕上げや、本革を用いたヘッドバンドに加え、3D製法イヤーパッドのスムーズな仕上げによって、装着感を向上させました。
Z5については、さらなる小型化を行い、ぎりぎりまで研ぎ澄ます中で、2機のBAを強調する造形に進化しています。また、ケーブルの凹凸を減らし、角度を整えることによって装着感を向上させています。
両機種とも、秋のヘッドフォン祭でお披露目されそうなので今から期待が高まります。