ULTRASONE Tribute 7の発表について思うところ
その名も「Tribute 7」。
7の名を冠していることや、何よりその紫色の外観から分かるように、12年前の2004年に発売された、あの「Edition7」の復刻版とのこと。
Tributeには貢物、賛辞、贈り物、すばらしいもの等の意味があるようですが、ここでは贈り物が妥当でしょう。
ハウジングは、ほぼEdition7と同じようです。エッジ部分が銀色になっているのは反射の具合によるものでしょうか。
オリジナルのEdition7は999本が販売されましたが、ハウジングへのシリアルナンバー刻印はありませんでした。Tribute7は777本が販売されるようで、Edition9と同様に刻印があります。
また、Edition7のイヤーパッドは白色でしたが、Tribute7はEdition9やSignatureシリーズと同じ黒色となるようです。
ヘッドバンド部分はSignatureシリーズと同様に、新しいヘッドパッド一体型のものになるようです。
材質が変わるかどうかは判断できませんが、これまでのように、へたってきたから気軽に交換・・・とはいかなさそうです。
ケーブルは完全に別物。
コネクタ部分が色分けされていることから、恐らくは脱着可能になっていると予想します。Edition5と同じMMCXでしょうか。
プラグ部分はミニプラグとなっているようですが、こちらもEdition5と同様に標準プラグ仕様のものが付属するのではないでしょうか。
さて、気になるお値段ですが、Edition7が発売当時472,500円(税込)だったのに対し、Tribute7は380,000円(税込)予定。復刻版ということで値下がりはしていますが、元が元なので流石に高いです。
今回はプレリリースということで、これ以上の情報はありませんが、正式には4月22日に世界同時リリースされるとのこと。春のヘッドフォン祭2016のポスターの表紙を飾っていることから、祭に合わせて4月29日が発売日でしょうか。
今回の発表といい、ULTRASONEは日本市場を結構重要視しているみたいですので、その可能性は高いと思います。
ここでULTRASONEから発売されたEditionシリーズ、限定ヘッドホンについておさらい。
2004年にEdition 7が限定999本、472,500円で発売。
当時はまだあまり知られていないメーカー&値段から日本には50数セットが入ってきたのみとのこと。
2006年にEdition 9が限定500本、241,500円で発売。
Edition 7と同じ型ですが、その値段から一応廉価版として見られています。その後、販売台数を1,111本に拡大、2009年には更に55本が追加され、某オーディオ店専用の1台を加えた1,167台が流通していると言われています。
2010年にEdition 8 Limitedが限定888本、210,000円で発売。
これは先に発売された量産品(シリアルはつくが限定ではない)のRutheniumとPalladiumに続くものなので、特殊な順番。その後、Romeo、Julia、Romeo Red-I(限定20本)、Carbonとファミリーが増えていきます。
2010年にEdition 10が限定2,010本、294,000円で発売。
Editionシリーズ初の開放型ということで話題になりました。
2013年にEdition 12が195,300円で発売。
Edition10と同様に開放型ですが、こちらは限定品ではありません。素材が異なるだけで一見廉価版のようにも思えますが、音の傾向はかなり異なるため、兄弟機種という扱い。
2013年にEdition 5が限定555本、493,500円で発売。
木製ハウジングとなり、Editionシリーズの最高額を更新しました。その後、2014年にハウジングの素材を変えたEdition 5 Unlimitedが発売されています。こちらは量産型で価格は320,000円と、完全な廉価版となっています。
他、2015年にEdition M が発売されていますが、割愛。
そして2016年、Tribute 7が限定777本、380,000円で発売されます。
今回のTribute7について、Editionの名は冠していませんが、Edition7とEdition9の間に位置するものとなりそうです。国内流通数が他と比べて圧倒的に少ないEdition7のみに採用されていた、紫色のハウジングに憧れた方も多いのではないでしょうか。
もちろん、おいそれと手が出せる価格ではありませんが、一定数売れることは確実だと思われます。
あと気になるのはEdition7とEdition9の価値の変動について。
Edition7については現在30~40万円の値段となるようですが、何しろ絶対数が少ないのでその希少性は変わらず、ただし完全互換?となり得るTribute7の登場により、本当に僅かだとは思いますが、誤差程度に価値は減少すると思われます。絶対数が本当に少なく、変動幅も大きいと思われますので、実際に確認する機会はないでしょう。
そしてEdition9については以前から中古品が出回っていましたが、10万円台後半だったものが、ここ最近徐々に価格が上昇し20万円台中盤辺りになっていました。価格やコンセプトから、Edition7と比べてTribute7との競合度合は低く、直接的に価値への影響はないと思われます。
しかし、現Edition9ユーザーがTribute7に買い換えるパターンが十分に考えられるので、今後Edition9の中古品の流通数が増え、必然的にこちらも価格は減少し、以前のように10万円台後半まで戻るのではないのでしょうか。
あくまでどれも一個人の勝手な予想なので、実際は神のみぞ知るところですが・・・
とにかく、今後Tributeシリーズが続いてくことは流石にないと思いますので、最初で最後の、憧れのEdition7(と同等のもの)を手に入れるチャンスです。
ここは思い切ってサンプラザの舞台から飛び降りてみるのも良いんじゃないでしょうか?骨は拾えませんが・・・
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