アニメ「昭和元禄落語心中」第1話に登場したヘッドホン
タイトルからも分かるとおり、舞台は昭和。wikipediaによると昭和50年頃、1970年代の話のようです。
与太郎が夜更けに二代目有楽亭助六の落語を聞いている場面を視聴していたところ、
体が反応しました。ヘッドホンです。しかもかなりのアップ。
これはいけるだろうと、特定作業開始です。
形状は縦長の楕円。ハウジングは白と、中心部が黒。一瞬、ボタンのようなものも見えます。
次のカット。フレームは金属の模様。ヘッドバンドに繋がる部分が二股に分かれています。
ヘッドバンドは厚く、幅もあり、中央部の面積が広くなっています。
コードは片出し。カールコード。
白と黒の特徴あるカラーリングでしたので、まずはこれをもとに探してみました。私が生まれる前の話なので、予備知識ゼロからのスタートです。
似たような色のヘッドホンにパイオニアのSE-30(1967)や東芝のHR-50(1970)がありましたが、特定には至りませんでした。
SE-30 | HR-50 |
次の特徴となるボタンらしきものにも注目してみましたが、色も含めて近いのは山水のSS-80(1977)あたりでしょうか。
やはり違います。
もしかして架空のヘッドホンなのでは・・・と思い始めましたが、ここまで詳細に描かれていることから、モデルとなったものが何かしらあるはずです・・・
半ば諦めつつ、自分の知らない時代の様々なヘッドホンを夢中になって見ていたところ、ついに見つけました。
Technics EAH-230
カラーリングは違いますが、その他の、ハウジング、中央部分のつまみ、金属フレームにヘッドバンド、コードの特徴が全て一致しています。
似たようなアングルのものを並べてみます。この作品に限らず、アニメではモデルとなるヘッドホンのカラーを変えて登場させることがありますので、同じものとみて間違いなさそうです。
というわけで、与太郎が使っていたヘッドホンはTechnics EAH-230でした。
発売は1978年(昭和53年頃)。当時の価格は8,600円で、現在の12,500円くらい。
左右のつまみでそれぞれ音量調節ができるようです。
ついでに、EAH-230が接続されていた大きなステレオについても調べてみました。
SANSUI APS-1400/APS-1200
共に1969年頃に発売された製品。サイズはAPS-1400のほうが大きいですが、作中からは判断できず。
家主の八代目有楽亭八雲は人気落語家で裕福みたいですので、ここでは上位機種のAPS-1400とします。
細かい違いを挙げると、アニメではアンプの表面左側に縦の溝があるようですが、実物にはありません。恐らくはカタログの絵を参考にしたのかも。
また、ヘッドホンジャックは与太郎が接続していた場所ではなく左側にあるようです。縦横比も実物と若干違うように見えますね。
当時の価格は約14万円ですが、ヘッドホンよりも更に時代を遡るので、計算すると現在の約44万円。結構なお値段です。
かなり昔の製品でしたので情報が不足しているのではと思いましたが、どうにか特定完了です。まさかアニメに山水が登場する日が来るとは・・・
ようやくすっきりしましたので、再びストーリーに集中できそうです。
「昭和元禄落語心中」Blu-ray【数量限定生産版】一 関智一,石田彰,山寺宏一,小林ゆう,林原めぐみ,細居美恵子,雲田はるこ,熊谷純,畠山守 キングレコード 2016-02-24 |