至高のハイブリッド型イヤホン「Oriolus」のレビュー
さて、音のレビューです。改めて聴き直したため、環境は現在のAK380。個人的な好みでイヤーピースにはSpinFitを装着しています。なので低域が抑え気味になっていることを踏まえてお読みください。
Oriolusはバランスド・アーマチュアドライバ3基とダイナミックドライバ1基を搭載したハイブリッド型のイヤホンです。ハイブリッド型のイヤホンにはK3003のようなバランス型と、IQのような特化型に大別されると経験上考えていますが、Oriolusは前者のようです。
BAドライバとDドライバが主張し過ぎることなく、互いに補うような音に上手くまとまっています。試作品を祭会場で聴いた時から好印象を持っていました。
全体を通してボーカルが埋もれるようなことはなく、寧ろ一歩前に出ているくらいによく聞こえます。若干乾いた印象ですが、このボーカルの明瞭さがOriolus一番の特徴のように思います。
低域自体は必要十分量。引き締まったというよりは柔らかめな音。音場は広め。
高域も上まで伸びていますが、サ行の刺さりはかなり抑えられ、聴き疲れしない音になっています。高音に刺激を求める人には物足りないかも。
以上の傾向から、テンポが速く、激しい曲は苦手ですが、ほどほどの速さで特にボーカル、次点でベースが印象的、かつ広がりのある曲によく合います。
個人的な趣向も多分に含みますが、最近聴いている曲の中だと「ピアチェーレ」、「さよならのゆくえ」が良い感じでした。劇場版ガールズ&パンツァーのサウンドトラックも、高音に若干の物足りなさはありますが、広い音場と沈み込む低音が、劇場のような臨場感と迫力を出しています。
このように本体に関しては十分に満足しているのですが、不満点はケーブルに集約されていました。
まず、コネクタとケーブルの接合部分が非常に脆いです。これまで様々なイヤホンを使用してきましたが、購入後数ヶ月で断線、というよりは綺麗に外れてしまった経験は初めてでした。プラグ部分の耐久性にも不安が残ります。
また、ケーブルに癖がつきやすく、分岐点からコネクタまでは導線2本がねじってあるだけなので、ほつれが気になります。
臭いも癖があるようで、気になる人にはかなり気になる模様。
ケーブル以外に関しては非常に完成度の高い機種ですので、これらの点が気になる方は早々にリケーブルすることをお勧めします。
Oriolus自体はケーブル含めて音の調整がされているらしく、好みの音のものが見つけられずに私は2本目を購入することになってしまいましたが・・・
後継機も同じようなケーブルのようなので、不満点が一つでも改善されていることを願います。
Brand-new World/ピアチェーレ 西沢幸奏 フライングドッグ |