魅惑の透明サウンド、MOONDROP Blessing3の開封とレビュー
5月10日に発売された水月雨、MOONDROPのイヤホン、Blessing3を購入しました。同社のイヤホン購入はLiebesleid以来となります。
まずは開封の様子から。
白を基調としたパッケージ。最近は中国の一部メーカーを中心に、イラストを全面に押し出したデザインが増えてますね。
内箱はちょうど宝箱のような形に開きます。本体とケースの他、蓋の方には説明書が入っています。
説明書の他、パッケージに描かれているイラストのポストカードもついてきます。
独特な模様の白いキャリングケース。使用する予定はありませんが、本体価格を考えると、ファスナーのかみ合わせや上部の縫い目など、作りが少し甘い印象を受けました。
ケースの中には3.5mmの付属ケーブルとイヤーピース、久しぶりに見た飛行機用の変換アダプタが入っています。
イヤホン本体のハウジングはステンレス製。金属光沢がきれいですが、使用する際には指紋や傷に気を使いそうです。
左右に「MOONDROP」「BLESSING 3」の文字が刻印されています。ドット風のフォントがオシャレ。
Blessing3はダイナミック型ドライバ2基とBA型ドライバ4基を搭載したハイブリッド型のイヤホンです。筐体が透明なので中の構造がよく見えます。
2基のダイナミック型ドライバは耳に対して垂直、かつ上下に挟み込むような形に配置されています。
音導孔は3つあります。一番大きな穴がD型ドライバ用ではなくBA型ドライバ用だったことは意外でした。
横から見たところ。結構サイズが大きめで、装着すると若干耳から飛び出てしまいますが、筐体の軽さもあって装着感には問題ありません。
コネクタは2Pin。付属のケーブルを接続する際は非常にきついため注意です。
ケーブルは白とシルバーを基調とした透き通るようなデザインとなっています。
非常に見づらいですが、左右の判別は端子部分にあるLRの文字が頼りです。
純正ケーブルとイヤーピースを本体に装着したところ。
全体的に透き通るようなデザインとなっていて、青のアクセントも綺麗です。
せっかくならイヤーピースも白で揃えたいですね。
使用感
先のとおりサイズが大きめとなっていますが、耳にしっかりとフィットするので装着感は良好。
ケーブルの取り回しも良く、耳掛け式なのでタッチノイズもそれほど気になりません。
あと気になるのは、使用に伴うハウジングの傷つきやすさと、クリアケーブル特有の経年による変色くらいでしょうか。
音質
そもそも、Blessing3を購入するきっかけとなったのは春のヘッドフォン祭で試聴して気に入ったから。短時間の試聴でしたが、透き通るようなボーカルの表現が強く印象に残っていました。
そんなわけでBlessing3を予約購入したのですが、開封直後に聴いた音は若干記憶と違っていました。高域の鮮明さは確かに健在でしたが、透き通るような印象は弱く、全体的に音が硬めに感じました。
そのため、以下は合計30時間ほど曲を再生したエージング後のレビューとなります。
サウンドは全体的に高域寄りの弱ドンシャリ傾向。低域は本当に必要十分量で、曲によっては物足りない場面もありますが、あくまで主役は中高域。その中高域もエージングによって音の硬さが取れ、かなり自然なボーカル表現になったと思います。
ダイナミック型1発のイヤホンのような全帯域つながる音ではなく、高中低域がそれぞれはっきりと分かれています。分離が良い、という表現もできますが、一音一音はっきり分かれて聞こえるというよりは、ボーカル、ギター、といったような単位でざっくり分かれている感じ。
音の広がりも多少広めに感じました。
以上から、個人的にBlessing3は男性ボーカルよりは女性ボーカル、生音よりは電子音主体の楽曲(できれば音数が多すぎないもの)で真価を発揮するイヤホンだと思います。
例えば、アーティストだとPerfume全般、アニソンだと「動く、動く」や「New Stranger」、最近だと「アイドル」もBlessing3で非常に気持ちよく聴くことができました。
総評
イヤホンについては手持ちのハイエンドやカスタムIEMで十分に満足している中、それでもBlessing3には試聴して欲しいと思える音がありました。
購入理由としてはそのサウンドと、ここ最近、更に青天井の様相を呈してきたイヤホン新製品群の中でも比較的手を出しやすい価格帯であったこと。価格と音が程よいバランスを保った製品だと思います。
中高域、特に女性ボーカルを重視する方におすすめ。加えて、先に挙げたような楽曲を好む方には更におすすめのイヤホンです。