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まさに万能型STAX入門機!SR-X1のレビュー

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STAXから発売されたエントリーモデルSR-X1を購入しました。おおよそ2週間使用して評価も固まってきましたので、レビューします。

外箱はシンプルな黒基調。
専用のドライバーユニットとなるSRM-270SがセットになったSRS-X1000という選択肢もありましたが、予算とスペースの都合からSR-X1の単体購入となりました。
STAXのエントリーモデルといっても、単体で6万円と中々のお値段となっています。

箱を開けると意外にも簡素な包装となっていました。
緩衝材などはなく、内容物は本体とケーブル、説明書のみ。

コンデンサー型の取扱いはデリケートなため、説明書は必読。

本体を正面から。シンプルに黒とシルバーのみ。
ヘッドバンドにクッション性はありませんが、本体が234gと非常に軽いため問題なし。

本体右側。ハウジングはプラスチック製で若干のチープ感はあります。艶消しなのは良いですね。

ハウジングの隙間からは新型のユニットが見えます。

左右判別用の突起は左側面に。

フレームを拡大するとSTAXロゴのワンポイント。軽量化のためか、かなり細いですが堅牢性は十分。

ヘッドバンドの内側にはMADE IN JAPANの文字。

右側はRの印字もなし。
スライダーで6段階の調節ができますが、動きはけっこう硬め。その分、使用中のずれは皆無でした。

ヘッドバンドは幅広で肌触りは良好。交換は難しそう。

イヤーパッドは左右が分厚くなっていて、密着感は高め。
おおよそサイズは6.5cm×4.0cm。
わずかに耳たぶまで収まりませんでしたが、程よい柔らかさと緩めの締め付けで、長時間の使用でも痛みはありませんでした。

イヤーパッドははめ込み式で楽に着脱可能。
まだ情報はありませんが、単体販売時の値段が気になります。シープスキンなので安い!とはならないかも。

下側。STAXの特徴である幅広ケーブルは着脱可能です。

使用感

本体重量234gと非常に軽量です。
反面、やはりケーブルの重さ、幅が気になります。
個人的な問題ですが、付属ケーブルの長さは2.5mなので、現在の3.0mを想定したレイアウトではケーブルが電線のように張ってしまい、重さが直に伝わってきます。
使用する際はドライバーユニットを近くに置き、ケーブルを接地させてなるべく重さを感じないような配慮が必要です。

また、静電気を利用する機構のため、通常のヘッドホンよりも慎重な扱いを必要とします。密閉感を調べようと左右のハウジングを近づけ過ぎた時や、ケーブルが張って瞬間的に負荷がかかった時にノイズが発生するようになってしまい、その都度ケーブルを抜く必要がありました。

イヤーパッドは耳当たりが良く、締め付けも適度に柔らかいため、装着感は非常に良いです。長時間の使用でも全く問題ありませんでした。
遮音性と音漏れは見たまま、双方向ダダ漏れです。

音質

※ドライバーユニットはSRM-T8000を使用しています。

初日にXで「全ての音を正確に、均一に、繊細に、主張し過ぎずに表現している」と投稿したとおり、オールマイティーなサウンド。突き抜けた個性はありませんが、どんな楽曲もそつなくこなす超優等生。

高域から低域まで満遍なく出ており、かつ、互いに邪魔し合うことなく整然と聴こえます。
さすがに最上位機種のSR-X9000と比べると、全体的に平面的なサウンドという印象もありますが、モニターヘッドホンのような音の硬さはなく、長時間のリスニングに適した音作り。
様々な楽曲を聴いてみましたが、特筆して苦手なジャンルはないように思います。

STAXの静電型ということで、生演奏の弦楽器のような繊細な表現は秀逸。高域もすんなりと耳に入ってきます。オーケストラのように音量の幅が広く、様々な音色が重なり合う音楽の表現はSTAXの真骨頂。エントリー機とは思えないほどの音の厚みを聴かせてくれます。

最後に、ここはあえて普段聴くようなアニソンからSR-X1で聴いて欲しい楽曲を紹介します。
SR-X1の強みとして、低域から高域まで全ての音が等しくよく聴こえることが挙げられます。
なので、それぞれの帯域に種類の異なる音が多数重なり合った楽曲を、特に気持ちよく聴くことができます。
少し電子的な音・曲調であれば個々の音の輪郭がはっきりしているので、明らかに音数が多いのに、気持ち良く聴き分けられるといった体験ができます。
例えば、ELISA「God only knows」の中盤、様々な音が徐々に重なっていくパート。
例えば、school food punishment「future nova」のサビ部分。
最近であればYOASOBI「勇者」も聴いていて面白いと感じました。

総評

STAX導入の敷居の高さには、本体に加えてドライバーユニットも必要という金銭的な要因があります。
しかし、セット販売となるSRS-X1000でも約11万円と、近年の高級ヘッドホン界隈でも比較的リーズナブルな価格に収まっていることから、STAX入門としてはかなり魅力的なパッケージになっていると感じました(世間一般的にはまだ高いかもしれませんが・・・)。

最後に改めて、SR-X1はSTAXの入門機として十分過ぎるほどの性能を発揮してくれました。
本来の入門構成であるSRM-270Sとの組み合わせは聴けていないので、少し印象は変わるかもしれませんが、音楽はもちろん、映画やゲームまで含めて真にオールジャンルこなせる機種です。
ケーブルと、デリケートな本体の取扱いさえ許容できれば、普段使いヘッドホンとして最高峰のモデルと言っても良いと思いました。

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